2015年3月22日日曜日

Seeing The West Vol.2-1 Amtrak 1

Jun. 15, 2014

6月15日、旅を始めてから2週間後
カリフォルニアでの滞在を終えて、午後10時、AmtrakはLA Down TownのUnionStationを出発。
New Orleansに向けて
まる2日間の汽車の旅がはじまった

薄暗い車内の中、自分のシートを探した。
荷物を落ち着かせ、席に着く。
汽車が動き出す。
と同時に、先ほどの別れ際からこらえていたものがどっと押し寄せ
涙が出てきた。
もう、号泣。。。
自分でも訳が分からないほど、涙があふれてきた。

そういえば、ひとり旅、だったのだ。
それまで、カリフォルニアでは短い時間ながらいろんな人とにお世話になり、優しくしてもらった。
ここで、あらためて一人になり、それまで平気だったはずの『ひとり』が急に
『孤独』に変わったみたいだった。

あまりにも泣き止まないからか
隣のシートの女性が
What's wrong ?
と声をかけてくれた。

私はこの時はじめて、泣きながら、心の底から英語をしゃべった。

あいむ...とらべりんぐ...ばい まい せるふ...
あい みす... まい ふぁみりー ...まい ふれんず

絞り出すように、やっとの思いだった。
自分の親世代ほどの年配の女性。
あいむ ふろむ じゃぱん。。身の上をすこし話すと、そうかそうか、というように理解してくれて慰めてくれた。

すると女性が
人生はいつでも選択なのよ
などと(もちろん英語で)語りかけてくる。

どうやら、ガンで危篤の母がいるのだが、友達の結婚式に出席するのと、自分の息子に会いにどうしても行かなければならず、母をおいて出発するという選択したそうなのだ。
それで、I was crying yesterday  と。
彼女は自分の母に「(行くか行かないか)お母さんが選んで」と決断をゆだねたようだが、行きなさい、という答えだった、と。

なんだかドラマみたいな展開に。その話もまたうるうるきて、私はふたたび涙していた。

そんな涙に暮れる中、そのまま寝てしまった。


アムトラック2日目。
朝を迎えた。汽車の中で目覚めるとは、なんとも不思議な気分だった。
隣のシートの女性も起きていた。私の気持ちも落ち着いていた。
車内は割と寒くて、わたしはバスタオルをかけて寝ていた。
周りの乗客は用意がよく、枕や毛布を持ち込んでいる。
隣のシートの女性も持ち込んでいた。

女性は、I さん。
生粋のニューヨーカーだという。母はメキシコ人で彼女は英語もスペイン語も話す。
私もこの先NYに行くつもりだったのでその話も絡めて会話がはずむ。


私たちは朝食を一緒に食堂車に向かった。
アムトラックには景色を眺められるガラス張りの車両や食堂車、売店、とそろっている。
食堂車で相席になった母娘のお2人とも会話をした。
これからニューオリンズに行くことを話すと
Be careful と言われた。ニューオリンズに住んでいたことがあるらしく、パンフレットについていた地図に私の泊まる予定のホステルの場所×を書いてくれた。

ちなみに食堂車のメニューはわりと充実していて朝食としては3種類から選べた。
スクランブルエッグ的なものを食べた気がする。

アムトラックは、ゆっくり進んだ。
新幹線の速さではなく、急行〜特急くらいの速さだ。







Iさんには娘もいて、時々電話がかかってきた。
飛行機が嫌だったらしく、この汽車の旅の設定も娘にやってもらったとのこと。
英語とスペイン語まじりで話しているが、何やら私の紹介をしているようだった。
「隣に素晴らしい(beautifulとまで言ってくれた)日本人のガールがいるから心配ないわ」
みたいな。
私こそ、動揺していた気持ちが和んで、心強かった。

そして、忘れられない何とも深イイ話。
Iさんは大家族らしく、兄弟がいて、子供は4人いて、孫、ひ孫もいるのだけれど、子供は色んなカラーの方と結婚したから、産まれてくるその子供は肌の色、目の色がみんな様々で、本当に幸せだと。
My life is so beautiful !!
と語るのだ。家族を愛していてとても心の豊かな人だということが分かった。
思わず涙が出た。

アムトラックはゆっくり進んだ。
景色をみてもよし、考え事をしてもよし。本を読んでもよし。自由だった。
ただ一つ、NO Wifi だったので丸二日、ネット環境は遮断されたのが想定外だった。
それも手伝って、Iさんともゆっくりお話しできた。








Iさんが簡易テーブルの上に置いていた本が気になったのでそれは何ですか?と聞いてみた。今ベストセラーの本よ。とくに女の人は読むといいわ(耳元でコソコソ)
と教えてくれた。

とりあえず今度調べようということで表紙のみ写メをとっておいたのだけど、
そう、
今まさに実写映画が上映されている話題作「Fifty Shades of Grey」の2作目だった。
このときは本の内容も何もかもわからずだった。
日本に帰って、冬ごろに英語版を本屋で見つけて買ったはいいが放置状態だったところ、なんと実写映画が上映、という流れ。
映画の方が先になったけれど、年もあけて2015年、彼女のコメントの意味がわかった。
けっこう分厚いので、英語版読めるか心配だけど、チャレンジしたい。

アムトラックの旅はまだまだ続く。






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